中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

3月16日&17日に最新の科学・技術を青少年にアピールする「科学・技術フェスタ」に出展! 17日は、再生医療の最先端で活躍する研究者によるパネルディスカッションを開催

ディスカッション

ネットワークの拡げ方

大和
今の話と関連して、これが最後の質問になると思いますが、「高校時代のネットワークが力を発揮することは分かりました。日本の高校や大学は、アメリカと比べるとそれが弱いと思います。ハーバードやスタンフォードなどは同窓会のネットワークが財源を提供していると聞きます。日本の大学はどうですか」という質問が来ています。財源云々はともかく、高校や大学の人的ネットワークの構築や、アメリカと日本の違いなど先生方からご意見をお願いします。
仲野
僕の高校時代の友だちで言うと、仕事とかそういう面で役に立つことは全然ないんですけども、先ほどから話題になっているモチベーションや留学なんかもそうなんやけど、たとえば高校の同級生、大学の同級生、中学でもかまいませんけど、こんな奴でもこれだけできるんやというのがあるんですね。直接役に立つというより精神の糧です。
それと、大学の同級生ってわりと分野が狭くて同じようなところにおるんですよ。高校ぐらいの同級生だと一番話しやすいかな。ぼやきやすいというのもあるし、タイトなネットワークというより、ものすごくルーズな意味でのネットワークという点で、僕は高校の友だちがいいんじゃないかと思っています。
大和
僕は開成高校という東京の進学校を卒業しましたが、同じ業界にもいっぱい同級生がいるので仕事上の付き合いは多々あります。45歳ぐらいから同窓会を定期的にやるようになって、全然職業が違う人たちが集まってそれはそれで楽しいですね。一番付き合っている友だちは中学校のときの同級生で、両親が住んでいる向かいのマンションに住んでいるものだから、いちいち電話かけてくれる。お前んところの車、エンジンかけっぱなしだけどいいの? と聞いてくるので実家に電話かけたら父親はすっかり忘れていたり・・・。そいつとは仲良くしているけど、高校がいいか、いつの時代がいいかというのはケースバイケースで、人によって違うんじゃないかなと思います。
海外について言うと、1つ特徴的なのはハーバードでもMITでも、卒業生に、MITだったら@mit.eduというメールアドレスがあって、これを死ぬまでただで使わせてくれます。@mit.eduってかっこいいので、みんな使うわけです。何で大学がそれをやっているかというと、寄付金をもらうためなんです。もしメールアドレスが卒業してGmailに変わっちゃったり会社のメールに変わっちゃったりしたら、いちいち調べなくてはならないでしょ。それでああいうメールシステムが完備されていますけど、僕が見ていても、アメリカとかヨーロッパの同窓会は日本の大学の同窓会よりもずっと緊密で結合力が強いと思います。
高橋
ネットワークが必要、友だちが必要という話ですけど、でも、中学・高校でそんなに仲のいい友だちができない人もいるかもしれない。私も、今すごく会っている友だちっていないですね。もともとそれほど友だちをつくるタイプではありませんが、そのときそのときで助けになってくれる人はいるので、まあそこは気楽にやればいいんじゃないでしょうか。
仲野
たとえば、中学のときは仲良くなくても、そのあとに会って仲良くなることもあるし、田畑さんは僕の2年後輩で全然知らんかったんですけど、高校の後輩と聞いてからは、きょうは「田畑さん」と呼んでますけど、ふだんは「田畑」と呼んでます(笑)。
まぁあんまりものごとをタイトに考えんと、ええかげんにしてたらなるようになるんとちゃうかな。人間関係もそうやし、将来もそうやし、留学もそうやし、真剣に考えんでも時間がたてば何となくものごとは解決していくし、友だちも少ないなと思っていてもあるとき湧いてくるし、多いから誰か捨てていこうかなと思うときもあるし、いろいろですよね。
田畑
小学校・中学校というのは地域が限られていますよね。大学に行ったり社会に出たら家から出てしまうので、中学・小学校の友だちというのは今、何やっているのかよう分かりません。ところが、会えば昔の思い出話ができるので、心にゆとりができますね。
高校の友だちは同期はだめでまだ力になってくれません。ところが高校の先輩はものすごく力になってくれます。私は大学に勤めているだけじゃなくて、会社をやったりもしています。東京に行って、ある社長さんに融資をお願いしたところ、大阪弁でしゃべるのでひょっとして高校は?と聞くと、同じ高校なんです。おかげでポンと融資してくれました。そういう形でものすごく高校のつながりがあります。 大学は、私の場合はいろんな学部の友だちがいるので、非常に有効です。なぜかというとみんなそれぞれ会社に就職していて、一生懸命やっているからそれなりのポジションにあるわけですね。会えば「ああ、あのときの田畑か」と意気投合します。
でも、高校のネットワークが一番強いような気がしています。もっともあくまでこれは僕の経験で、どの友だちも大切にするのがいいと思いますね。
高橋
ずっと付き合う関係ではなくてもいいのです。たとえば高校だったら、そのときに誠意を持って一生懸命付き合っていれば、卒業してから全然会ってなくても、30年ぶりに会ったとしても同じ高校を出たというだけでキュッと結びつく。ずっと友だちじゃなきゃだめという感じじゃないですね。
仲野
僕よう言うんですが、きずなとちゃうんですよ、やっぱりご縁なんですよ、と。きずなというのは何となく紐で結ばれているみたいな感じがありますが、そんなたいそうなものと違うて、ときどき同じクモの糸にパッとひっかかるような、その程度の関係でいいんじゃないか。
大和
ほかにもご質問があるかと思いますが、このあたりでお開きにしたいと思います。本日は公益財団法人テルモ科学技術振興財団のご厚意でこのような楽しいパネルディスカッションを企画させていただきました。テルモさんに感謝しておしまいとしたいと思います。
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