中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

「サイエンスカフェ」レポート 高校生が最先端の生命科学に触れた一日

培養皿から細胞シートができるまで

細胞培養室では細胞培養と細胞シート操作について学んだ。
細胞シートによる再生医療を行うためには、細胞培養操作が不可欠だ。まずは細胞培養の基本操作を学び、温度応答性培養皿から培養細胞がシート状のまま剥離する過程を観察、さらに、剥離した細胞シートの模擬移植までを体験する。
各人の前に培養皿が置かれていている。この中では皮膚の細胞が培養されている。ゴム手袋をはめ、電動ピペッターとピペットを使って培養皿内の培養液を除去する。次に、ピペットで10㎖の緩衝液を培養皿に加え、軽く揺すったあと同じピペットを使って緩衝液を完全に除き、細胞を洗浄する。
タンパク質分解酵素を2㎖添加し、COインキュベータに移して37℃で加温する。タンパク質分解酵素は、細胞と培養皿の結合や細胞同士の結合を切断するのが目的だ。約5分したら培養皿を元に戻し、細胞が剥離していることを確認する。そこに培養液8㎖を加え、細胞を分散させるためにピペッティング操作(吸引・排出を繰り返すこと)を行う。
1000rpm(1分間に1000回転の速度)で5分間遠心処理を行うと、遠心管の底に細胞が沈殿する。こうして集めた細胞を温度応答性培養皿に播種し、数日間培養することにより細胞シートはできる。

続いて模擬移植の実験。
細胞シートを培養皿に入れ、上から支持膜をのせる。支持膜をピンセットでつまみ上げると細胞シートも一緒に回収できるので、これをゴム手袋をつけた手の甲の上にのせる。支持膜をピンセットでゆっくりとはがすと、細胞シートのみが接着され、移植成功!
「細胞シートを用いて組織を再構築し、これを移植するというコンセプトで再生医療への応用がさまざまな組織・臓器で行われています。多くの人の努力の積み重ねで新しく誕生した医療を用いることにより、今まで治せなかった病気も治すことができるようになりつつあるんだよ」という先生の話にみんなは深くうなずいていた。

「模型のフニフニ感がよかったです」

締めくくりは全員が集まっての「自由討論」。司会は東京女子医科大学大学院先端生命医科学研究所の大和雅之教授。参加した高校生からはこんな感想が寄せられた。

「きょう体験したのはとても専門的な研究が多かったんですが、僕にとってはとても新鮮で、おもしろい内容だったので、とてもいい経験になりました。ありがとうございました」(男子生徒)
「施設見学のとき、触った模型のフニフニ感がよかったです」(男子生徒)
「ふだん見えないようなところも見せてもらって、高い機械にも近づくことができて、よかったです」(女子生徒)
先生たちからも感想が述べられ、最後に岡野所長より、修了証が手渡されて、充実した1日のスケジュールを終えた。

PAGE TOPへ