フクロウ博士の森の教室「からだを復元させる医療の話」 第4回 タンパク質の形と機能の関係は? 東京理科大学基礎工学部生物工学科 三浦 成敏 教授インタビュー タンパク質の構造と機能の研究は、生命現象の解明につながります。

フクロウ博士の森の教室「からだを復元させる医療の話」 第4回 タンパク質の形と機能の関係は? 東京理科大学基礎工学部生物工学科 三浦 成敏 教授インタビュー タンパク質の構造と機能の研究は、生命現象の解明につながります。

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三浦 成敏(みうら・しげとし)
1977年大阪大学基礎工学部生物工学科卒業。84年大阪大学基礎工学研究科生物工学博士課程卒業。さまざまな生命現象を司るタンパク質の構造を解析し、その機能を追究している。研究室では、高性能ハイブリッドタンパク質作成に向けたプロテインエンジニアリングや、生化学的、構造生物学的なアプローチで病気に関連したタンパク質の構造や機能の研究を行っている。

タンパク質の形やその働きについて、物理学的な観点や構造生物学的な手法で研究を続けている三浦成敏教授に、タンパク質とはどういうものか、研究の先に見えてくるものは何かなどをお伺いした。

タンパク質は、生命を司る重要な物質

───タンパク質とはどんなものですか。

生物を生物として特徴づけているのは、外部の刺激に反応して行動することです。原始的な生物では、細胞をつつくとすぐに反応して行動を起こすし、それより少し高等な生物になると、1回刺激を受けるとそれを内部で処理し、判断してから行動を起こします。そしてさらに高度な生物になれば、外部からの刺激を受けなくても自発的に行動します。外からの刺激を感じたり、それに反応して動いたり判断したりすることこそ、生きている証であり、生物の生物たるゆえんといってよいでしょう。
こうした刺激に対するフィードバックシステムを担っているのは、私たちの体の中に存在しているタンパク質なのです。

───タンパク質は、からだのどんなところに、どのように存在しているのですか。

私たちのからだは60兆個の細胞でできていますが、タンパク質はその一つひとつの細胞の中に存在しています。細胞の成分で最も多いのは水分で約70%を占め、そのほか主なものとして、細胞膜の成分である脂質、エネルギー源の炭水化物、代謝に必要なイオン、遺伝にかかわる核酸、そしてタンパク質などから構成されています。
タンパク質は、それらの中でも、感じる、動く、体内で酸素などを運ぶなど、生物のもっとも生物的な特徴に関係する物質ということができます。

───なぜ、タンパク質は感じたり、動いたり、生物の基本的な活動を担うことができるのでしょう。

生物が感じたり、動いたり、酸素を運んだりするためには、細胞の中にアンテナやセンサー、モーター、ポンプ、バネなどに相当するものが必要になってくるのですが、そうしたものをタンパク質が作り出しているからです。
タンパク質は、20種類のアミノ酸の組み合わせでできていて、アミノ酸が手をつないだヒモ状の物質です。それらのヒモ状の物質が折れ曲がったりして立体的な構造をしているのですが、粘度細工のように自由度が高いので、アンテナやモ―ターなどさまざまな形(構造)を作り出すことができるというわけです。

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